朋子は、そんなわたしの性格を知り尽している。何も聞いてなかったかのように、

「今年も、藍子のお姉ちゃんに浴衣着せてもらおうよ。」といった。
わたしは、黙ってうなづいた。考えて見れば、花火大会まで、もう時間がなかった。

英語の単語やら文法などで、頭がいっぱいだった為に、すっかり忘れてしまっていたのである。

花火大会で、何がおこるんだろう。わたしは、不安な気持ちがほとんどだったのだけど、ほんの少しの期待も心のどこかに存在していた。

一体、何に期待しているのか。自分でも分からなかった。

ホームルームも終わり、みんな教室から、少しずつ出ていく。

今日も、教室に残って勉強する人は少ないみたいだ。

わたしは、家の机で勉強するのが一番はかどるので帰ることにした。
もちろん、朋子も一緒だ。

一階の靴箱に、たどり着いた。ふと見ると、自分の靴箱の前に知らない女の子が立っていた。