「ここからじゃ見えないな。」

わたしは、その光るものが気になって仕方なかった。

隣の部屋には、確かお姉ちゃんが掃除をしているはずだ。

「お姉ちゃん。」わたしは、姉を呼んだ。

姉に事情を話すと、興味をもってくれたようだ。

「あたしが一人で行ってくる。藍子は、家で待ってて。」

わたしは、自分で確かめたかったけど、姉の言葉には逆らえない。
宝ものだったらどうしよう。お姉ちゃんに独り占めされるかも。

気が気でなかったが、一応にパジャマを着た病人であった。

わたしは、玄関まで、姉を見送ってから、急いで自分の部屋に戻った。

窓から姉を見下ろした。

お姉ちゃんは、サンダルを履いて家を出たため、道の泥にひっかかり、なかなか宝にたどり着けないでいる。

わたしは、舌うちしてみせた。「お姉ちゃん、遅い。」

やっと、姉は、てかてか光るものにたどり着いたようだった。