夢で、何度もあのドアの隙間からみた、横顔が出てきてうなされていた。

お化けをみてしまった・・確か、二十歳までに一度見てしまうと、それから一生涯、幽霊が見える体質になるという ジンクスがあって、小学生の間では、信じられていた。当時、小学生だったわたしは、お化けが一番こわいものだったので、体質が変わってしまって、お化けが見えてしまうと思い、なかなか布団から起き上がれないでいた。

そして、わたしの話を家族は、誰も信じてくれなかった。

実際、家の一階までしか水が入ってこず、二階は、被害がない。

あれは、藍子の夢か幻だろうといって、みんな慰めてくれた。

「あんなにこわい目にあったのよ。」

「部屋が暗かったせいで、変に見えただけさ。」とかだ。

わたしは、みんなに絶対お化けを見たと言い張っていたが、後で、おちがついた。

当時のわたしの真剣さを考えると今、思い出しても恥ずかしい。