その時、階段を上がる足音が聞こえてきた。
「部屋入っていい?」お姉ちゃんの声がする。

そういって、姉は、ドアを開け、無造作に、はいった。

「今日暑いよねー。あ、朋ちゃん元気?これ、あげる。」

そういって、二人にアイスをくれた。

「そういえば、今年の花火大会どうするの?二人とも浴衣きる?」
姉は、昔からいつもこうだ。なんの躊躇なしに話題に入ってくる。
それに、妙に、感が鋭かった。それにしてもどうして、こんなにデリカシーがないのか。わたしは、ため息をついてしまう。姉のこの馴れ馴れしさに、少々怒りを感じつつ言った。

「まだ、決まってない。」

すると、朋子が「今年は、4人で行くんですよ。男女2人ずつです。」と姉に説明している。

お姉ちゃんと朋子。

二人は、昔から息がぴったりなところがある。

今回もそのようである。

「えっ、いいじゃないの。何、彼氏できたの?」姉は、さっそく話に食い付いてくる。

「違います。でもいい感じなんです。」

どこがだよ。わたしは、心の中で一人突っ込みをいれていた。

「でも、藍子がぁ・・」
そういって、朋子がワザと困っているような表情をして、こちらを見た。