端から見ると、私達はどう見えるのだろう。

やっぱり恋人同士に見えるのだろうか。

ちゃんと観察すれば、お互いにそんな雰囲気が全然ないことにすぐ気付きそうだけど。

相田君と付き合う私。

数秒想像して、全くイメージが浮かばず、まぁそんなもんだよな、と考えを打ち切る。

と、突然、彼がそのゆっくりとした歩みをぴたりと止めた。


「……よし」


決意に満ちた声を出したかと思うと、彷徨わせていた視線を、まっすぐ前へ。



あ、きた。



長年の勘で、そう感じた。

次の瞬間、彼は踵を返すと、先程とは打って変わった強い歩調で、今まで歩いてきた方向とは逆の方向へと歩き出す。

無駄だと思いながらも、一応声をかけてみる。