その日、私はいつも通りに家を出て、学校に向かっていた。

春の陽気は少し汗ばむくらいで、雲一つない晴天だった。

天気のいい日は自然と気分がよくなる。

毎日、こんな日が続けばいいのに。

空を見上げてそんなことを考えながら歩いていると、10メートルほど先を、相田君が歩いていることに気付いた。

彼は、私以上にゆっくりとしたペースで、私よりもさらに首を空へと折り曲げて歩いていた。

人にはとろいと言われる私の歩幅でも、あっという間に追いついてしまった。