何も言わない悠希にビクビクとしながら視線を合わせる。
――…眉間に皺…。
やっぱり迷惑だった…よね。
「……ごめ……今の忘れて！」
自分の意気地無し。
嫌い…って言われるのが怖くて、悠希の言葉を待つ勇気すらないんだもん。
「いや……あー…」
困ってる…困るよね。
嫌いな相手に告白されても困るよね…。
意地悪だけど本当は優しい悠希がはっきり断るのを苦手なのわかってたのにね。
無理矢理口許に笑みを貼り付けて笑った。
「あ、あのな…」
「良い！悠希が私を嫌いなのわかってるから！」
「は？千鶴を嫌いって…誰が？」
悠希の目は本当に不思議なのか、すごく揺れている。
誰、なんて聞かなくても自分がよくわかってるじゃない…。
「………悠希が…。」
「はぁ？んな訳ねぇじゃん。」
「…………え？だって…いっつも…ブスって言うじゃない。」
あれ結構傷つくんだから。
女の子なら好きな人にブスなんて言われたらすごく傷つくんだから。
「いや…あれは…………、」
「………あれは…？」
「あれは……あれだよ！」
あれ…って何よ…。
あれとかこれとか…そんなのじゃわかるはずないでしょ…？
「あーもう！わかれよ！」
「っわかるはずないじゃん！」
「わからないから馬鹿だって言うんだっつーの！」
理不尽だ…悠希はひたすらに理不尽だ。
今の会話で意味がわかる人がいるなら連れてきてほしいよ。
