君との出会いは強烈だった。
「………ブス!」
そう言われたのは5才の時。
ドがつく田舎で自由気ままに育った私の前に現れた君。
「千鶴、今日からお隣りさんの悠希くんだよ。」
パパに言われて、ちょこんと頭を下げた私に君はそう言ったよね。
その瞬間に君を嫌いになったのは多分言うまでもないけど…
「仲良くするんだよ?」
大好きなパパにそう言われたら嫌いなんて言えない。
「悠希…くん?」
「なんだよブス!」
―――…やっぱり嫌い……
子供ながらに傷付いた私はパパの足に抱き着くみたいにして悠希から隠れた。
「千鶴ちゃん、ごめんなさいね?悠希!千鶴ちゃんに謝りなさい!」
目線を合わせてくれる悠希のママ。
怒られてる悠希を見ようとちょこっとだけ身を乗り出してみる。
「見んな!ブス!ブース!!」
「ぅ………ぅ〜…ふぇ」
子供ながらにブスと言われるのは堪えた。
実は新しいお友達が来るってパパとママに聞いて楽しみにしてただけに余計に悲しい…
「悠希!!」
「千鶴、悠希くんも慣れない場所で緊張してるんだよ。だから千鶴が優しくしてあげなきゃ、な?」
私の涙を拭きながら困った顔をしたパパに私はフルフルと頭を振ってパパに抱き着いた。
「………ごめんなさい。」
「ほら、悠希くんも謝ったんだから。千鶴はお姉さんだろう?」
ポンポン背中を叩いてくれるパパから悠希に視点を変えて、ビクビクしてしまったら悠希は気まずそうに地面を見ていた。
「ん…ヒック、はるきくん…仲良くしてね…?」
「…仲良くなんてしない!ぼくブスは大嫌いだから!!」
恐ろしく酷い事を言い逃げした悠希に悠希ママはまた怒ってる。
パパは苦笑いを浮かべながら私を抱き上げてくれる。
これが、君との最悪の出会い。