「いいわねぇ~うちなんか入院して3回だけよ」


母の前に座る患者さんが大きな声で言う。



「それに比べてお宅の娘さん、毎日でしょう?小さいお子さんがいるのにえらいわよねえ」




その患者さんはどうやら毎日母の元へ来ている私のことを褒めているようだった。




でも母は私を褒めない。


そう思っていたのに。



「うちの娘は優しいんですよ。毎日お弁当作ってきてくれるんです。」




あの母がそう言った。



「いい子なんですよ」



母が私のことを他の人に嬉しそうにそう話していたのだ。