結局もう母の病室には行けず、担当医から説明を受けた。

祖母と同じ癌だったからある程度の事は理解できた。


ただ母の場合は腫瘍の数が多いため、祖母の時より抗がん剤を早めに使う事となった。


話が終わりバスに乗って母の家に帰る。


相変わらず汚くて、私は祖母の仏壇に手を合わせた後早速部屋を片付けた。


前帰ってきたときは家に母がいないと嬉しかったのにこの時は母がいないと寂しく感じた。


いつもならこうやってここで煙草を吸いながら嫌味を言ってるのになと想像していた。



どうか母が治りますように。



眠る前も祖母に手を合わせた。

笑っている写真の中の祖母は「大丈夫よ」と言ってくれているように感じた。



だから私も自分に言い聞かせる。



大丈夫。

お母さんは治る。