「笑うわけないじゃん。」


「本当は私がこんな風になったって聞いて喜んだんでしょ?」


「そんなわけないじゃん。そうだったら帰ってきてないって」


「いや。笑うために帰ってきたんでしょ」



「はいはい」


「私死ぬのよ」


「死なないって」


「ばあちゃんと同じ癌なの」


「知ってるよ。でもお母さんは死なない。まだ若いし」


「早く死ねって思ってる癖に」


「思ってない」


「嘘ばっかり」


「本当って」


「帰って。やっぱりあんたがいたら疲れる」


「今来たばっかりじゃん」


「帰れって!子供もいたら迷惑なんだから!」



結局、何度も帰れと言われた私は追い出されるようにして病室を後にするしかなかった。