『とりあえず私も仕事があるし家が離れてるから毎日は来れそうにないんだけど、さえこちゃん帰ってこれそう?雄太君も修平君も仕事や学校でしょう?』



私はすぐに帰る事を決めた。



電話を切って佐藤さんに電話をして事情を説明した。


翌朝、私は駅まで佐藤さんに送ってもらい浩人を抱えて新幹線に乗り込む。


母が癌になったと聞いてからは何も考えられず、漠然とした不安だけでいっぱいだった。



死なないで…―――



ただそれだけを祈るように想い続けた。