それから母の事を無視するようにした。


母は気付かない。

自分の言った言葉で私が苦しんでいる事に。


母の中で、母は絶対で

母の中で、母に間違いは何ひとつない。


母の言う事は、母の中で完璧であり
世の中の人から見ても正論である。


そう洗脳されてきた私は
口答えしても無駄だから黙っていようと口を結んだ。




母に何を言われても
もう何も話さないでいよう。
もう聞いていないふりをしよう。

素直に心に入れるのはやめよう。


そう決め込んでも
母の人を苦しめる才能に自分の心が勝るほど
私は強くなかった。


容赦のない母の暴言に
私は耐え切れなくなっていく。



そして母は私の中にある大切なものを奪っていく。