ホームセンターへ行った後、引越し業者の人から電話がありマンションへ戻った。


部屋には冷蔵庫とコンロ、他に中くらいの段ボールが20箱くらい。あとはテレビにパソコン、コンポ、大きな洋服タンスが1つ置いてあった。


佐藤さんは業者の人を見送ると部屋に戻ってきた。


「とりあえず家具は夕方にしか届かないし、片付けようか」


マンションは20畳のLDKと仕切りで仕切られた6畳の寝室が1部屋。

ウォークインクローゼットが2つという間取りだった。


段ボールを抱えて寝室前のクローゼットに置くと、


「こっちが俺専用であっちがさえこちゃん専用ね」


そう言って段ボールを次々に運ぶ。



「私、何したらいいの?」


勿論荷物など持ってきていない手持ち無沙汰な私はただ佐藤さんが段ボールを運ぶのを見ていた。


「じゃぁカーテンつけたり、掃除お願いしていい?」


「はい」


新品の雑巾を濡らし、床を拭いた。