「買うよ。なんで?」


「いや勿体なくない?全部買わなくても前使ってた家具使えばいいじゃん」


「だって前のやつ白じゃない」


「あのね。私は理想を言ってるだけで別に全てをその通りにしてほしいなんて言ってないでしょ?」


「言ってないよ。俺がしたいからしてるだけじゃん。さえこちゃんの為じゃなくて自分の為にしてんの。さえこちゃんの理想が俺の理想なんだよ。文句ある?」


「…別にそこまでする事ないのに」


「いいじゃん好きなんだから。誰でも好きな人喜ばせたいんだよ」



私を置いて先に進む佐藤さんの背中を見つめていた。



一体この人は何を考えているんだろう。


私にはきっとこの人の考えている事は一生わからない気がする。



そんな心で。