翌朝。

昨日言った通り佐藤さんは朝の8時に迎えにやって来た。


マンションに行き、鍵を引越し業者の人に渡すとまた車に乗る。


そして朝食を食べにファミレスに入り、腹ごしらえが終わると今度はホームセンターへ。


「どんな家に住みたい?」


店の中を歩く佐藤さんは色んな場所へ視線を飛ばしていた。


「どんな家って、インテリアの事?」


「うん」


「白がいい。暗い部屋が嫌いだから。白って広く見えない?」


「そう?まぁいいや。了解」


そう言うと佐藤さんは次から次に白い物をカートにのせていく。



「ちょっと待って!もしかしてそれ全部買うつもり…?」


テレビボードに、ベッド。電気カバーにソファー。本棚にテーブル。


家具の注文用紙を手に持ち、

布団カバーやクッション、スリッパなど山盛りになったカートを押す佐藤さんの顔を覗き込んだ。