「絶対無理なの?それなら俺と1年付き合ってよ。別に好きになれないなら恋人同士みたいな事はしなくていいから。」


「1年付き合ったらどうなるの」


顔も見ず、口を小さく動かした。


「信じられるようになるよ。誰でもは無理だろうけど、俺の事は絶対信じられるようになる」



「じゃぁもしなれなかったら?」



「なんでも言う事聞いてあげるよ」



「なんでも?」


「うん。」


「じゃぁ1億ちょうだいって言っても?」


「うん」


「…何その自信。なんでそんなに自信あるの?」


「あるから。あるんだよ」


「意味わかんない」


「でもその代わり、もし1年付き合って俺の事信じられるようになって、好きになれてたら俺と結婚してよ」


「いいよ。私が信じられるようになってたらね」



売られた喧嘩を買うような感じだった。


この人は一体何を考えているんだ。どうせ無理な事なのにと、何の期待もしていなかった。


絶対に佐藤さんを好きになる事はないと思っていた。