何の変哲もない会話の中で、突然振られた話に少し戸惑った。

一緒に働いている高校生の宮田君が私の事が好きという噂があるんだと。


告白されたらどうする？なんて聞かれてもはっきり付き合いませんなんて返さなかった。


「佐藤さんはどう思います？私、宮田君と付き合うと思いますか？」


遠まわしの答えには思いもよらない返事が。


「付き合わないと思う…というか付き合わないで欲しい」



何言ってるんですかと笑い飛ばしてみたけど、隣にある表情に笑顔はひとつも見られない。車を道脇まで寄せて停めると、佐藤さんは私の顔を見つめた。



「俺、さえこちゃんの事好きになったみたいだわ」


その視線に耐え切れず、思わず顔を逸らす。


「またまた。私なんて子供だから、全然話になりませんよ」


「いや、真剣に言ってるんだ…」



振り返る先にある真っ直ぐな視線に呆れたようなため息を漏らして口を開いた。