「佐藤さ〜ん！さえこちゃん食べて帰るんだって」


何も言っていないのにパートさんが勝手に佐藤さんに返事をしてしまった。


結局私は断れず、食べて帰ることになった。


３時になると、パートさん達は溜まって話す事もなくすぐに帰っていく。


佐藤さんと二人っきりになってしまった私は、正直居心地が悪く、一人で掃除を続けていた。


「できたよ」


冷たい声で呼ばれた私は、手を洗い食事をとる個室へと向かった。


佐藤さんが運んできたパスタをテーブルに並べ、向き合ってあぐらをかいて座る。




「私パスタ大好きなんです！」



目の前に置かれたパスタを見て私が喜んで言っているのにも関わらず佐藤さんは表情ひとつ変えずに煙草に火をつける。


「ああそう」


別に食事前に吸わなくてもいいのに。


そう思いながらも佐藤さんが煙草を吸い終わるのを黙って待っていた。