淳の車に揺られる事1時間。


「ねぇどこに行ってるの?」


「秘密」


「教えてよ」


「嫌だ」


「ねぇどこ?あ、わかった!決まってないとか?」


「秘密」


「え?嘘?決まってないの?」



「ごめん何も考えてなかった」



笑いながら頭をかく淳の顔はどこか疲れているように見えた。



「ずっと運転してたらきついんじゃない?どこかに停まって話そうよ」


「そうだね」


暫く車を走らせて淳が車を停めたのは、はっきりと見覚えのある場所。


そこは

コウの家の近くだった。



「どうしてここに停めたの?」


「え?俺この辺りに住んでるんだ」


「あ、そうなんだ」



久しぶりに見るその景色に変わりはなく、胸が少し熱くなった。