「ちょっと待ってて」


もう一度家に戻りバッグを持って淳の車に乗った。


「ねえ、電話貸してくれる?」


私は淳に携帯を借り、そこから家に電話を入れる。



しばらくコールして出た父は寝ていたのか普段より少し声のトーンが落ちていた。



「お父さん?今日バイトの先輩の所に泊まるから明日帰る」


電話を切り、携帯を閉じて淳に渡す。


「もう泊まるって言ったから朝まで付き合ってね」


「おっし!じゃあ行くか?」



「うん!」



淳はバックで駐車場を抜けると颯爽と車を走らせた。