「大丈夫だった?」


「もうよかった…ほんっとに助かった」


外に出た私は淳と二人でキッチン裏のレンガに座り胸を撫で下ろした。


「何?どうしたの?」


「告られた」


「うっそ!?まじで?」


二人で顔を見合わせ、笑いながら頷く。


「それでなんて返事したの?」


「そりゃもちろんオッケーでしょ」


「は!?まじ!?」


「嘘」


私が歯を見せると淳はびっくりしたと釣られて笑う。



「答える前に助けてくれたから何も言ってない」


「あぁそっかそっか」


「うん」



「そういやあれからどう?家の方は」


「うん。なんかねお父さんが変わったみたいで、前より全然いい。まぁ、お母さんは変わってないけど、今のとこあんまり会う事もないし、大きな喧嘩もないから」



「そっか。よかったね」


「うん。あの時は本当にありがとう」


私は淳の方に体を向け、膝上で両手を重ねて軽く頭を下げた。



「いやいや。どういたしまして」


すると淳も畏まって頭を下げる。


「さえこちゃん彼氏いないの?」


「森山君にもさっき同じ事聞かれた」


「あー、先こされたな」


「いないよ。そっちは?」


「俺もいないよ、俺理想が高いからね。なかなかできないんだよ」