その多くが女の人で、おばさんが十人、若い男女が二十人。
それと別に店長と主任という結構な大人数だった。


おばさん達は食事を終えて一杯飲むと、明日が早いからと帰宅し、その後は若い人達で盛り上がっていた。


ろくに友達もおらず、学校にも行っていない私にとってはとても新鮮な場所で、凄く楽しかった。



みんな本当に楽しそうに笑っていて、その光景を見ているだけでも楽しかった。



そんな盛り上がっている最中、私は先輩達が空けたグラスやお皿を片づけたり、お酒を作ったりしていた。


そこへ一人の男がやってくる。


その人は淳ではなく、キッチンの大学生アルバイトの森山君だ。


細い体に黒い光沢のある革ジャンに、ペイントされたデニム。顔はあまり格好いいとは言えないけど、仕事中優しくしてくれる先輩だった。