その日、とにかく自分は重大な病気ではないんだと気持ちを改め、少しだけ気が晴れた私は、弟と久しぶりに再開し、色んな話をしたり、ゲームをしたりと穏やかな時を過ごしていた。

盛り上がっている中で父が部屋のドアを開け、リビングに来るよう言われた。


「…何?」


そこには父と母がいつもの席に座っている。


「学校どうするんだ?」


正直もう学校の事など頭になかった。数ヶ月と行っていなかったのだから。


「別に。どうするって言われても…」


「もう退学届は出しているんだ。辞めてよかったんだよな?」


自分が知らない間に学校を辞めていた事には驚いたが、返って都合が良いとその時は思っていた。


「うん、いいよ」



学校に行けば、また言われるんだ。誰のおかげでって。そんなのはもう聞くのも御免だった。
働いていれば、誰のおかげでなんて言われない。

母に文句を言われないなら、働く方が私にとっては幸せだった。


一応、アルバイトを探している旨を伝えリビングを後にした。



はやく仕事を見つけて自分でご飯を食べるんだ。
お金を貯めて、家を出るんだ。



はやく自分一人で何でもできる大人になりたいと、それに近づく為にも頑張ろうと思った。