診察室を出ると同時に母が入れ替わりで呼ばれる。
待合室にいた父の隣に座り、父に診察室で医師に言われた事を伝えた。
それからしばらく待っていると母のいる診察室へと父が呼ばれ、数分して出てきた後少し遅れて母が一人で出てきた。
その母の目は赤く充血していて、中で泣いたんだとすぐに確信した。
父が出てきた後、母が会計に向かい、私は父と二人で病院を出てすぐ近くの薬局に薬を取りに向かう。
「お父さんなんて?」
「…お父さんは何ともないよ」
「お母さんは?」
「うん…。おまえの言う通りだったよ。」
「どういう意味?」
「病院に通わせるように言われたよ」
「私は?」
「おまえの事は特に何も言われなかったよ」
「そう」
この時父は、母の病名を教えてくれなかった。
そして父もまた、自分が受けた診断を隠していた。
そんな事にこの頃の私が気付けるわけもなく。
ただ、これからは母を病院に通わせるんだろうなとそれだけを思っていた。
待合室にいた父の隣に座り、父に診察室で医師に言われた事を伝えた。
それからしばらく待っていると母のいる診察室へと父が呼ばれ、数分して出てきた後少し遅れて母が一人で出てきた。
その母の目は赤く充血していて、中で泣いたんだとすぐに確信した。
父が出てきた後、母が会計に向かい、私は父と二人で病院を出てすぐ近くの薬局に薬を取りに向かう。
「お父さんなんて?」
「…お父さんは何ともないよ」
「お母さんは?」
「うん…。おまえの言う通りだったよ。」
「どういう意味?」
「病院に通わせるように言われたよ」
「私は?」
「おまえの事は特に何も言われなかったよ」
「そう」
この時父は、母の病名を教えてくれなかった。
そして父もまた、自分が受けた診断を隠していた。
そんな事にこの頃の私が気付けるわけもなく。
ただ、これからは母を病院に通わせるんだろうなとそれだけを思っていた。