その日作ったのは違う種類のパスタで、けんちゃんはまたこの前同様に喜んでくれた。


それから一緒にゲームをしてまた負けたけんちゃんは悔しそうにしていた。


そうやって一緒にご飯を食べたりゲームをしたりする度に色んな話をして、けんちゃんの事を知っていった。


けんちゃんといるといつも安心した。


けんちゃんに頭をポンポンとされると嬉しかった。


最初は援助交際の相手だったのに


いつの間にか私は10歳以上年の離れたけんちゃんの事を好きになっていた。



だけど


それを伝えようとは思わなかった。


なぜなら、けんちゃんが紗枝の事を好きだと言っていたから。


最初から叶わないとわかっていたから。


だから

自分の気持ちに気付いていながら、それ以上想いが膨らまないようにセーブしていた。


同じ家にいられるだけ
幸せだと思うようにした。