それから家に戻ってまた一緒にゲームをした。


何回やっても負けるけんちゃんは悔しそうで、
「絶対練習して勝ってやる」ってムキになっていた。


その日は次の日けんちゃんが仕事ということもあって早めにベッドに入った。


翌朝、いつものようにけんちゃんのいないリビングのテーブルには手紙と五千円が置いてあった。


(昨日は美味しかったよ、ありがとう。いってきます。)


その手紙を読んで朝から気分がよかった。


その日も家の事をして、学校帰りに紗枝がやって来た。


紗枝は学校で担任と喧嘩したらしく、もう辞めると散々愚痴を言った後

「今からデカパンおやじとカラオケ行ってくる」と大きなため息を残して家を出た。


その日の夜、なかなか眠れずにいるとけんちゃんがいつもより少し早い時間に帰ってきた。