「お金持ちだねぇ」


その事を話すとけんちゃんはふざけて笑う。


「家にも泊めてもらって、ご飯代貰ってるだけでも本当に助かってるのに更にこれはほんと貰えないです!」



私が真剣に言っているのにけんちゃんはそんな私を見て笑う。



「さえこちゃん真面目だねぇ。紗枝が泊まってた時はそんな事一度も言わなかったよ。っていうか普通黙って貰うよ。俺がさえこちゃんの立場でもきっと黙って貰うな」



「いや、でも」


私が返事をしようとするとけんちゃんは私の頭にポンポンと軽く手を置き



「俺も助かってるからこれくらいさせて」


とソファーから立ち上がってネクタイを外した。



「あっそうだ!さえこちゃんさ、ゲームとかする?」



まだ貰うのをためらっている私にけんちゃんが紙袋を持ち出して見せる。



「ゲーム?」