朝目が覚めた時、一人で眠っていたはずの私の隣には紗枝が眠っていた。


枕元にある時計を見ると朝の10時……


遅刻だ!


そう思ったけど

すぐ我に返った。



学校には行かないんだった――――



自分は行かないけど、紗枝は行くかもしれないからと紗枝の肩を叩く。



「紗枝?10時だけど学校行かなくていいの?」


「…うん?」


完全に寝ぼけた返事。


「紗枝!遅刻するよ!?」


少し声のボリュームを上げて言うと紗枝は重そうな瞼を開く。


「さえこは行かないの?」


「私は昨日行かないって言ったじゃん」


「じゃっ紗枝もやーすもっと…」


紗枝は寝返りをうち私に背を向けて枕を抱きしめた。