「結局俺の母親も紗枝の母親もさえこちゃんの両親も、みんな子供なんだよ。自分の事しか考えられない大人のふりした子供。大人になりきれていない子供なんだ」
けんちゃんはグラスに入ったお酒を一気に飲みほし音を起ててテーブルに置いた。
「そろそろ寝よっか?」
「あ、はい」
「俺明日も仕事だから早く出るけど、行く所がないなら夜まで居ていいよ」
「ほんとですか?」
「うん。勝手に使って。寝るだけに使ってるみたいなもんだし、この家」
「ありがとうございます」
私をベットまで案内してくれたけんちゃんは仕切を閉めて「おやすみ」とまたリビングのソファーへと戻っていった。