「え?」


「冗談だよ」


けんちゃんは笑って言ったから、私もついははっと笑ったけど
きっとその顔は引き攣ってた。



「さえこちゃん売りしたことないでしょ?」


「え?」


どうしてわかったんだろうとけんちゃんに顔を向けた。



「紗枝に聞いたんじゃないよ。見てたらわかる。未だに俺に敬語だし」


けんちゃんは煙草にジッポーで火をつけ、煙をはきながら笑う。


「すいません…」


「ほらまた」


「あ…すいません」


「俺もねそういうので買った事ないんだ。紗枝ともやった事はないし…あ、紗枝が売りやってるのは知ってるけどね」



そういえば紗枝もけんちゃんとはやっていないと言っていた。


「どうしてしないんですか?」


それは失礼な質問だった。