紗枝の漏らした声で
すぐにわかった。
紗枝としのっちが
そういう行為をしていたって。
それを見てしまった私は
けんちゃんと目を合わせづらかった。
「ったくあいつらは人ん家で何やってんだよ」
けんちゃんは部屋に戻るとソファーに座って煙草に火をつけた。
普通の時でさえ何を話したらいいのかわからないのにこんな状況になると言葉のひとつも思いつかない。
「おでこ大丈夫?」
そんな中、気を遣ってけんちゃんが話し掛けてくれる。
「あ、はい今はもう大分」
「そう。よかった何か飲む?」
「お水かお茶ありますか?」
そう言うとけんちゃんは冷蔵庫から烏龍茶を取ってくれた。
「ありがとうございます」
「さえこちゃんも今日泊まるんだよね?そっちのベッド使っていいよ。
どうせあいつらはあそこで寝るんだろうし」
「あ、私はここで」
「いや俺がソファーで寝るからいいよ」
「でも」
「じゃあ…一緒に寝る?」