「遅いねぇ」


「遅いですねぇ」


紗枝としのっちが戻って来ない。


「トイレで寝てんじゃないか…」


立ち上がり二人の元へ行こうとしたけんちゃんの後に着いて歩く。


だけど……



「あれ?」


二人はトイレにいない。


「あいつまさか…」


そう言うとけんちゃんはバスルームに走った。
でも


「どこ行ったんだあいつら」


バスルームにもいない。


「ここは…?」


私がもうひとつのドアを覗きこむようにゆっくりと開けると、そこに二人がいた。


でも私はすぐに二人から目を逸らしドアから手を離す。


「どうした?」


けんちゃんが私の頭の上から中を覗き、すぐにまたドアを閉めた。