紗枝達が楽しそうに何を話していたのか、あまり覚えていない。


これからの事が不安で、その事ばかりが頭から離れなかったから。


夜中の2時くらいまで休む事なく喋り続けていた紗枝は
もうその時間になるとかなり酔っ払っていて
しのっちとゲラゲラ声をあげて笑っていた。


「やばい!私吐くかも!」


紗枝は笑っていたかと思うと急に立ち上がり、片手で口を抑えドアに向かった。


「紗…」

「俺ちょっと見てきますね」


私が行こうとする前に
しのっちが先に立ち上がり紗枝の後を追い掛けた。


残された私はけんちゃんと二人。

何を話せばいいのかわからなくてポッキーを摘んでいた。