「もうさ、出て正解だよ」


全てを話した後、紗枝は呆れ果てた顔をしていた。


「うん…なんかね、もういいやって思って。真面目にやってくのも馬鹿らしいなって」


「うん」


「でも正直、不安がすごい大きいんだ。
だって結局私は未成年で、一人じゃ何もできないわけだし…。
それにお金も、住む所もないじゃん?
なんか縁切るとか偉そうに言ったけど、結局戻る場所はあの家しかなくて…
また帰って悪者になるしかないのかも…」



自分で話しながら弱気になっていた。



「さえこ…」


「ん?」


「本当に帰りたくないんだよね?」


「うん」


「じゃぁもう覚悟決めよ?
確かに大人にはなれないけど、大人と同じようにお金稼げば生きてはいけるじゃん?」


その覚悟と言う物が、
体を売るという事だとすぐにピンと来た。


「…うん」


頷いてはみたものの、正直その時は覚悟なんてできていなかった。