駅までの道は渋滞が多かったせいか沈黙が長かったせいか、とても長く感じた。



「着いたよ」


少しうとうとしていた私は大きく息を吸って吐き、目を覚ます。



「ありがとうございました…」


「いえいえ」


車を降りるとすぐ、紗枝が立っていた。


「さえこ大丈夫!?」


「紗枝…ごめんね」



私がか細い声を出すと、紗枝はぎゅっと私を抱きしめた。


「ちょっと待ってね」


紗枝は体を放すと「ありがとう。また連絡するから」と車に乗ったままのけんちゃんに窓から顔を覗かせた。



そのまま去って行くけんちゃんの車を見てなんだか申し訳ない気持ちになった。



「とりあえず話そっか?」



紗枝と私は駅前のマックに入り飲み物だけを買って1番端の席に座った。