言われた通り首を動かしてけんちゃんを見ると
もう少し体もこっちに向けてと言われ、お尻をずらして座り直した。


「ちょっとしみるよ?」


けんちゃんがいきなり布のような物を私の顔に付けようとして思わず顎を引いた。


「何ですかそれ?」


「あ、ごめんオキシドール。消毒しとかないと」


「あ…すいません」



けんちゃんはオキシドールで消毒してくれた後、絆創膏をはってくれた。


「よし…オッケーっと」


「ありがとうございます」


「おでこの所は血が固まってるから一回洗った方がいいかも」


「…はい」


「あとこれ…なんかこんなのしかなかったけど裸足のままじゃ危ないから」


けんちゃんは袋からキティちゃんのスリッパを取り出して私の足元に置いた。


「ありがとうございます…」


けんちゃんは手元にあるものを適当に片付けると、また
駅に向かって車を走らせた。