「ちょっと待ってて」



しばらく車を走らせた所でけんちゃんは道路際に車を止め、私を置いて降りていく。


小さな音量で流れるテレビを見ながら待っていた。


5分もしないうちに戻ってきたけんちゃんは
何かを買ってきたようで、手にはビニール袋をぶら下げている。



「お待たせ、ごめんね!」


けんちゃんは車に乗り込むと早速袋を探り中から缶珈琲を取り出した。


「はいこれ。あっコーヒー飲める?あっコーヒーじゃなくてカフェオレか」


「大丈夫です。…いただきます。」


貰ったカフェオレを開けているとけんちゃんは隣で手元で何かをしているようだったけど、特に気にする事なくテレビを見つめていた。



「さえこちゃん、ちょっとこっち向いて?」