買い物が一段落して二人でカフェに入った。

田舎ものの私はカフェなんてお洒落な場所に入ったのも初めてで、難しい名前の飲み物を注文する事にさえも戸惑った。


2階の窓側カウンター席に並んで座り
流れるように行き交う人達を見ながらお茶をする。


「いっぱい買っちゃった!なんか付き合わせちゃってごめんね」


紗枝は申し訳なさそうに言う。


「いいよいいよ。気に入ったの買えた?」


「うん!」


紗枝は頷いて嬉しそうに笑った。


「でも凄いね、紗枝の家お金持ちなんだ」


感じたままを言うと紗枝は目を丸くして一瞬とまった後、くすりと笑う。


紗枝は口元を拭いて話しだした。


「うち母子家庭でお母さんパートで働いてるんだ」


それは私が想像していたものとは違う答えだった。