目が覚めたのは夕方の4時頃で、母が帰ってくる1時間程前だった。


ベッドから飛び起きて掃除機をかけ、お米を洗う。

急いでサラダを作っていた時に包丁で手を切ってしまった。


滲み出てきた血を見て、もっと血が出ればいいのに、そう思った。


あー……―――


死んだら楽になれるのかな…―――


やっぱりあの時私は死ぬべきだったのかな…――――



また弱い自分が出てきて手首に包丁をあてた時だった。


玄関のドアが開く音に慌て、咄嗟に包丁を持ったまま自分の部屋に入った。


帰ってきたのは母。

いつものように母は珈琲を飲みながら煙草を吸っているようだった。


部屋に戻った私は
握りしめる包丁を見つめていた。


手首を切ったらどれくらい出血するんだろう。


どれくらいの時間血が流れれば死ねるんだろう。


気付けばまた手首に包丁をつけていた。


一度、切ってみようかな…――――



包丁を持つ手に力を入れた時だった。