「言いたくない」


「なんで?」


「もう電話もしない」


「なんでそんな事急に言うの?」


気付けばさっきまで作っていた笑顔は崩れ、涙が出ていた。



「ごめんさえこ」



「理由教えてくれないの?」



「もう会うのもやめる」



「…なん…で」



「ごめんな、さえこ」



コウは一方的に電話を切った。



私達別れたの………?




すぐに電話をかけ直した。



でも、コウは出ない。






もう話せないの…?




もう会えないの……?






嫌だ。



そんなの嫌………




真夜中の雪の中、気付けば私は走り出していた。