何度バスを見送っただろう。


コウは来なかった。


家を知っていた私は激しく降る雪の中、コウの家のチャイムを押した。


出て来たのはコウの妹で、コウは家にいないと言った。


それからもずっと待ち続けた。


だけど
約束から7時間が経って諦めた。


もう、コウは来ないような気がしたから。


風に晒されて冷たくなった手に渡すはずだったプレゼントを持ってバスに乗り込む。


この時はまだ信じていた。


これもまたひとつの試練だって。


だから
もしコウが今日来なかった事を謝ってきたら
何も言わずに許してあげるんだって。


私も悪かったからって
ちゃんと謝るんだって。


そしてまた明日、二人でクリスマスをやり直すんだって。




私達はこの先もずっと


一緒にいるんだって。