一週間に一度コウに会えた事がそんな心の支えだった。


家であった嫌な事も
コウに会えば忘れられる。


どこにでもいるような
普通の恋をしている中学生として笑っていられた。


けど、付き合い出して一ヶ月が経った頃
友達に言われたら一言が胸にひっかかってから不安という物が私を付き纏うようになった。



「コウ君塾でもすごい人気だよ!私も友達から手紙渡してって頼まれたし。気をつけないと取られちゃうよ」



コウが人気なのは知っていた。
だけど、学校が違うせいかそれを身近に感じる事はなかった。


でもそうして何度か友達に話を聞いているうちに不安はどんどん膨らんでいき、
毎日の電話だけじゃ、一週間に一度会うだけじゃ足りないような気がしてきて
次第に会う回数も電話の回数も増えていった。



同じ学校の人は私の知らないコウを知っていて、

私は月に何度かしか会えない。

私は毎日会えないのに
同じ学校の女の子は毎日コウに会える。


知らない誰かに嫉妬していた。


コウを失う事が怖くて。