夏休みの間はコウと会う以外は殆ど家で過ごした。


一日中外に出たくても、それは私には許されない事。


母が帰ってくるまでに父と弟に昼食を作り、掃除をして夕食の簡単な下ごしらえをしないといけなかったから。


「働かないのにご飯が食べれると思わないでよ」


そう言われたら何もしないわけにはいかない。


母が帰ってきて
その日何の掃除をしたか報告した。



母はあっそう、ふーんと、そんな流すような返事しかしなかった。


私が家にいて主婦業をするのは彼女の中で当然だったから。


家の事をすればちゃんとお小遣もくれた。


一ヶ月で千円とか良くて二千円だったけど。


お年玉は勝手に父の借金返済に使われていて、いつの間にかなくなっていた。


だから祖母からもらって貯めていたお小遣でどうにかやりくりした。


洋服も年に一度に数枚しか買って貰えなくて、お洒落なんてそんなの私には程遠いものだった。