「海司は嫌がってね…絶対離れないって…大事な奴がいるからって。」
「…………」
「それで仕方なく俺が行ったんだ。だけど、それからも虐められてたんだね。ごめん…俺の兄貴がごめんな…」
「いいよ…海司君が虐めなかったら私とかい君は仲良くなれなかった…それに…私、かい君がずっと好きだったんだ。」
「弥生ちゃん?」
「でも、その好きは…憧れ?だったのかな……ありがとう!かい君…」
「……よかった…君が笑顔で。」
「え?」
「…君が笑顔じゃないと俺が身を引いた意味がないからね。」
「…………」
「来週からはクラスメートだからよろしくね。」
「よろしく!」
そう言ってかい君は部屋から出ていった。
かい君…………海司君。
私………
「ママ!!ちょっと出てくる!」
「はーい。気をつけて。」
私は気付いたら家から出てて…走っていた……
通いなれた道を……