帰り道。

日も欠けてきたころ、夏琅に別れをつげ病院をあとにした。


「あの……ゴメンな」

なんとなく気まずくて謝る。

すると、前をあるいていたみんなが不思議そうな顔をして振り向いた。


「夏琅……なかなか病気のこと
言わなかったけど………。
それはお前らのこと考えてなんだ。
みんなの笑顔を涙に変えたくないっつって……」

あぁ、なんか言い訳にしか聞こえねぇー……。

やっぱ盲腸とか言って嘘ついたのはマズイよなぁ……。

心の中で考えていたら、

「分かってるよ。」

來が優しい笑みで言った。


「え?」

「夏琅のことだから、どーせみんなに心配かけたくないっとか、泣かしたくないとか言って、由輝に嘘を言わせたんでしょ?」

「え、あ……」

言葉に困っていると、みんな
それくらいお見通し!っといった顔で笑っていた。





―――ほら、夏琅…。

お前は一人じゃないぞ?

ちゃんとお前のことを、想ってくれてる人たちがいるからな。

だから、早く元気になれよ。