「私は諦めたくないよ……」

――夏琅が生きることを


その声は涙で震えていたけど、
優しい声だった。

「そー、だよ…………諦めんな夏琅。」

「手術で助かんなくても…日々の医療技術は発達しているしな。」

「そ、れに……ドナーが見つかるかもしれないよ?」

「私らも……諦めないから、これからも…一緒に生きてこ?」

「お前ら…………」

驚いた様に目を大きく開く夏琅。

「なっ?言っただろ、」

――ちゃんとみんな、受け止めてくれるってさ


「………っっ、ありがとう」

そう言って夏琅は泣いたけど……この涙はきっと悲しみや絶望の涙なんかじゃくて温かい涙だと俺は思った。






生きろ、夏琅

辛くても…悲しくても…苦しくても…目の前が真っ暗になっても…

生きることだけは諦めんな。


辛かったら、俺らが受け止めてやるから。

悲しかったら、俺らが手をにぎってやるから。

苦しいかったら、俺らが支えてやるから。

目の前が真っ暗になったら、俺らが光まで連れてくから。


だから生きることを諦めないで。


忘れんな、お前にはいつも仲間がいることを。