夏琅はかなり弱ってきている。

体より……心が。


「確かに夏琅のいうこともかわるよ?俺だって泣くとこなんて見たくない。………でもさ、みんなの顔見てみろよ。」

―――俺が夏琅を支える

「……………」

「笑ってるか?………笑ってねぇだろ。もう隠せねぇんだよ。今隠せたとしても、いずれバレるんだって」

―――でも、味方をするだけが、支えるって訳じゃない

「で、も………」

「…そりゃ、みんな泣くと思う。悲しむと思う。………でも、それは夏琅の事を大切に思ってるからなんだぞ?」

―――ちゃんと教えてやるんだ

「……っ」

「大丈夫、みんな受け止めてくれるから。………お前の友達は俺だけじゃねぇんだよ」

―――お前は一人じゃないって


「………ゆ、き」

「な?」

涙目で俺を見上げる夏琅の頭を、ポンッとなでてやった。

「サンキュー……」

「もう、大丈夫だよな?」

「おぅ」

その言葉を聞いて安心した俺は、胸ぐらから手を離してベットから降りた。


「俺……盲腸じゃねぇんだ」

「「………………」」

みんな黙って夏琅の話を聞く。