昼休み。

俺らは屋上で昼食をとっていた。

ちなみに夏琅はまだ来ていない。

來が3限目の終わりに電話したところ、まさかの二度寝が発覚。

ホント馬鹿だろ。


不意に鉄で出来てるのかと思わせる様な音を発する扉が開いた。

「夏琅!!お前、遅せーぞ!!」

俺は夏琅の到着にいち早く気付いた。

「悪ぃ悪ぃ!」

「ったく…」

俺はため息をついたあと、ちらっと來を見た。お前から話しかけろって意味を込めて。


「………來?」

「………」

夏琅は來に話しかけてみるものの完璧に無視、だ。

「來ー。來ちゃーん」

何度呼んでも無視を貫く來。

見ててちょっと可哀想。

あ、夏琅が後ろから來を抱きしめた。

「電話、ありがとな」

夏琅が耳元で囁くと、頬を赤くした來は「バカ…」と呟いた。

「照れてる?」

「っ、別にー…?」

來の髪に顔を埋める。

朝から………って、もう昼だけど良いムードの2人。

つか、俺ら飯食ってんだよ。

いちゃつくなら他に行け。


「あのー…お二人さん?」

自分たちの世界に浸っていたなんだかんだでバカップルの2人を、現実に引き戻したのは花梨。