「お前……もしかして」

「由輝。」

由輝の言葉を遮り、視線を月から由輝に変えた。

真っ直ぐ由輝の目を見つめる。


「今まで、ありがとな。…………お前と、お前らと出会えて……」



―――俺は、幸せだった




この時……俺は……


ちゃんと笑えていただろうか?


  * * * * * *  


放課後。

部活を休んで病院に行った俺に医師から告げられた言葉。


「もって…後二ヶ月程度です」

「は?」

…何言ってんの?

理解できなかった。

何を言っているのか、全くわからない。

後二ヶ月って、ナニが??


「珍しい病気なんです。
薬も治療方法もまだわかっておらず…」

「ちょ!待てよ!!二ヶ月って何が二ヶ月なんだよ!!!」

分かってる。

何の事かなんて…。

俺はバカだけど…そこまで馬鹿じゃない。


「残り二ヶ月。これが…あなた、夏琅君の余命です」


―――――――………。

何も言えなかった。

頭の中が真っ白になる。

残り二ヶ月………で、俺は…………………死ぬ?


「なんで?なんでだよ?俺…こんなに元気なのに。なんで……」